LS3/5Aについて

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ブラームスはお好き!(その2)

先日の投稿に取り上げてからというもの、ブラームスの第2交響曲がちょっとしたマイブームに。こういうときサブスク(spotify)は本当に便利で、SP時代から最新版まで大量の録音が見つかります。とても全部は聴ききれないので、第4楽章だけをプレイリストに登録して要所要所のつまみ聴きをしてみました。

 

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ブラームス交響曲第2番第4楽章第411-418小節

今回注目したのは、上の楽譜に示すとおり全曲の大詰めで金管楽器(青枠)がフォルテを吹き鳴らし、ティンパニ(黄枠)トレモロを轟かせる中、音量的に不利な低弦(チェロ&コントラバス)とファゴット(赤枠)が音階を上がり下がりするのが明瞭に聴こえるかどうか

そして、ティンパニ(黄枠)の八分音符 --> トレモロ --> 六連符 の違いがわかるかどうか。

もちろんコンサートの実演ではこんな細かいことは気にせず豪快にぶっ放して欲しいのですが、正規のスタジオ録音となれば話は別。ブラームスがそのように書いたからには、その書かれた音を聴きたいと思います。

そして、様々な録音を片っ端から試してみると、どういうわけか、これまで名盤として推薦されてきた録音で上手く聴こえるものは少ないようで、聴いた中ではザンデルリンク旧盤、ティンパニが幾分不明瞭なアバド盤くらい。

 

こちらがザンデルリンク旧盤。

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そしてアバド 盤。

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一方、誰も顧みることの無くなったSP録音(1933年)ですが、低弦の動きを聴かせるためにバランスを調整しているストコフスキー 旧盤。録音機材の性能が未発達な中、これだけの演奏を聴かせるのは素晴らしいと思います。

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そして、平凡と切り捨てられてきたものの中に、上手く行った演奏が見つかります。例えば、アンサンブルが「大学オケ未満」と評されたアンセルメ盤は、アバド盤くらいには出来ています。

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全く評価されなかったノイマン盤も低弦が聴こえます。

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無名指揮者&オーケストラの実演ながら低弦がよく聴こえます。このコンビはスタジオ録音も同様なので、指揮者の指示でしょう。open.spotify.com

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スタジオ録音盤はこちら↓
Symphony No. 2 in D Major, Op. 73: IV. Allegro con spirito - song by Johannes Brahms, Novosibirsk Symphony Orchestra, Arnold Kaz | Spotify

 

若手指揮者で、活きの良いティンパニが活躍するティチアーティ盤。速いテンポで低弦はちょっと弱めかな。

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YouTubeには無いNaxosベルケシュ盤。良い演奏なのにCDにもしてもらえず、データ配信のみという扱いです(9:22-) ↓

Symphony No. 2 in D Major, Op. 73: IV. Allegro con spirito - song by Johannes Brahms, Győr Philharmonic Orchestra, Kalman Berkes | Spotify

 

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spotifyには1ヶ月間の全世界での再生回数が表示されます。そこで、いわゆる「名盤」と、上で取り上げた低弦が明瞭に聴こえる録音(太文字)とを再生回数順に並べてみると次のようになりました。

低弦が不明瞭な「名盤」6件分の1ヶ月の再生回数合計 227,532回
低弦が明瞭な録音7件分の1ヶ月の再生回数合計 40,169回(1,000回未満のものは1,000回としてカウント)

この一事をもって判断するのは軽率ですが、そうは言っても5倍以上という大差がつくと、世界のクラシックファンはスター指揮者と超一流オケの有名レーベル録音を聴きたいだけなのかと勘ぐりたくなります。ブラームスの意見も少しは聴いてあげてね。

 

<参考>

一番人気のカラヤン新盤も挙げておきましょう。低域までフラットに再生できるヘッドホンやイヤホンで聴けば低弦が何かモゴモゴ言っているのはわかるが、旋律としては不明瞭。

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ラトル盤はティンパニ にかき消されてほとんど聴こえません。

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