LS3/5Aについて

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遠い海を越えて行く

いきなり楽典で恐縮ですが、下に示すような五度圏の図を(遥か昔に)音楽の教科書でご覧になったかもしれません。一番上がC Major(ハ長調)で、右隣のG Major(ト長調)と左隣のF Major(ヘ長調)とは仲が良い、つまり転調先としてよく使われます。

逆にC Major(ハ長調)から一番遠いのは、円周の反対側にある G♭ Major(変ト長調)ということになります。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/33/Circle_of_fifths_deluxe_4.svg/800px-Circle_of_fifths_deluxe_4.svg.png

そして、この五度圏の図は花時計に似ていますよね。ちょっと強引(笑)

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bf/Toi_FlowerClock01.JPG/1024px-Toi_FlowerClock01.JPG

 

要するに、今回は聖子ちゃんの2ndアルバム『North Wind』に入っている「花時計咲いた」の話です。すみません、ファン以外はご存知ない曲だと思いますが、この歌声の浸透力は格別です。泣けます。

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曲の冒頭にはストリングスとピアノでロマンティックに演奏されるイントロが置かれていて、それが終わるとまた新たなイントロが始まるという珍しい構成になっています。アイドルのアルバム曲なのに凝ってるな思って調べてみると、冒頭のストリングスの部分はホ長調(E Major)、新たなイントロの部分は変ロ長調(B♭ Major)でした。上の五度圏で見るとE Majorから一番遠い位置にあるのがB♭ Majorです。続いて歌われる歌詞は、

♪〜遠い海を越えて行くかもめの群れ

空に浮かぶ白い船のようね

私のこと一緒に連れて行ってよ

そうよ あの人のいる街〜♪

 そう、この歌詞に登場する"あの人”は遠い街へ行ってしまったのです。彼との距離、そしてロマンティックな想い出との距離を、E Major(ホ長調)から一番遠いB♭ Major(変ロ長調)への移行で音楽的に表現しているのかもしれません。

編曲者は信田かずお。聖子ちゃんのデビュー曲「裸足の季節」や3rdシングル「風は秋色」などの編曲を手掛けられた方です。真相を伺いたいような、伺いたくないような。

 

<追記1>

どうでもいいことだけど、上の動画の写真は、聖子ちゃんの頭頂と両肘で綺麗な三角形になっていますね。

 

<追記2>

「あ・な・たの手紙」とセットで聴いて、秋のおセンチモードに没入しましょう。

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