LS3/5Aについて

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アヴァンギャルド聖子ちゃん

松田聖子は、今でこそ歌がうまいと言われていますが、当時の大人たちからはオンチ扱いされていました。まあ、うちの親などはテレビにアイドルが映るたびにそう言ってましたが。

歌謡界の大御所、淡谷のり子大先生からは”ニワトリが絞められたような声”という評価を頂戴しています。このニワトリ声というのは、おそらく「青い珊瑚礁」の出だし、♫あ〜っ⤴︎ わたしの⤴︎恋は〜♫としゃくりあげるヒーカップ唱法のことだろうと思われますが、それとは別のニワトリ唱法もやっていたことは、ほとんど知られていないようです(次の動画の1:12から)。

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 ♫あ・な・た・を・あ・な・た・を・感じてるわ♫ と、スタッカートで「あなた」をバラバラにしていますね。コケーッ・コッ・コッ・コッ・コッ!

 

もう一つ、次の動画の1:14からはもっとスゴイ。(埋め込み再生できないので下のリンクからYouTubeでご覧ください。)

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でも、レコードでは常識的に滑らかに歌ってます(次の音源の1:13から)。プロデューサーが許さないからね。

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そして、次は、スビト・ピアノとでもいうのでしょうか、急に小さくするのと、スタッカートとの合わせ技(次の動画の1:18から)。究極のブリ芸ですね。

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そして、こちらは究極のピアニシモ、というか歌ってない(次の動画の2:32から)。

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フレーズの最後を小さくするのは他の人もやりますが、フレーズの途中ではめったにいないでしょう。次の音源の3:35からをお聴きください。♫寝顔にキスされた♫ の「キス」だけ弱く歌うことで、そこが逆に目立ってくるという高等技術です。

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そして、このイタズラを忘れることはできません(次の動画の2:03から)。度胸あるなあ。

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聖子ちゃんが振付師の振り付けで歌ったのは、たしかデビューから3曲ぐらいだったはず。どんどん自己流で変えてしまうので振付師に匙を投げられて、以後は自分で振り付けてたそうですが、試行錯誤がよく表れているのが「夏の扉」。動画でも色々な振り付けを見ることができます。しかし、一瞬とはいえ、こんな無理な体勢を取っていたとは(下の動画の0:58から)

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振り付け

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あくまでもアイドルの枠組みの中で、従来の歌謡界になかった新しい表現を人知れず模索していた、そういった聖子ちゃんの革新的なパフォーマンスに今回は注目してみました。